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Photo Studio 倉庫リノベーションは、デザイン心を刺激する

「倉庫リノベーションの魅力は、倉庫の広さと天井の高さを生かした自由なスタジオデザインが可能なことだと思う」と写真スタジオ・フォワードの内山広文社長は語る。同社は港区の大型倉庫の一角をリノベーションし、写真スタジオを運営。ジュエリーやフードなどの撮影を得意としている。
内山氏が、現在のスタジオを構えて約15年、以前のスタジオも倉庫をリノベーションした建物だった。NYのSOHO地区で行われていたアーティスト達の倉庫・工場リノベーションに憧れていた内山氏。しかし、20年ほど前は倉庫を物流用途以外に利用するという発想自体、日本では一般的でなかった。物件探しは難航したが、一度目も二度目も縁あって港区のビンテージ(築年数の経った)倉庫に入居することになった。ただし、入居にあたっての工事は経験がないことから手探り状態だった。例えば、借りた倉庫スペースは、荷物の出入りが基本になるので、別にクライアント用の出入り口と通路を設置しなければならなかった。電気、水道工事なども必要で、その都度、知恵を出して解決したという。
「ものづくりが好きなので、自分で楽しみながらスタジオをデザインした。天井高が6mもあるので、スタジオ部分以外は、2層に区切って倉庫と事務所を設置。図面や広々とした空間を見ながら、様々なアイディアが湧いてきて、それを具現化するのは大変楽しかった」という。
現在のスタジオは壁をホワイトに塗り、床は木調で優しい雰囲気を醸し出している。中間をシャッターで区切り、A、Bの2スタジオに分けている。Aスタジオには、キッチンを設置。撮影によっては、中間のシャッターを開け、両スタジオを合体させて利用できる。
また、倉庫の広々とした空間を生かし、スタジオと事務所は別に設置しているため、都内の一般的な小規模スタジオに比べ、スペースにメリハリがある。長時間の撮影でも、クライアントやデザイナーのストレスが少なくて済むのも好評だ。

さらに、現在も現役の倉庫として使用している建物に入居しているので、貨物用エレベーターが使え、倉庫側から大型機材の搬入ができる。高価ジュエリーなどを撮影することも多いため、窓のない倉庫の安全性の高さは安心だ。
今後の倉庫リノベーションの展開について、内山氏は「海外の事例などに憧れ、倉庫をリノベーションしてスタジオやオフィスに利用したい人は相当数いると思う。だが、まずリノベーションできる倉庫は普通の不動産屋では見つかりにくい。私が倉庫に入居した当時、デザイナー、クライアントなどから『どうやってリノベーションできる倉庫を探したのか』とよく聞かれた。リノベーション可能な倉庫物件の情報は、需要がある」と話す。
そして、「事務所棟が併設している倉庫や空調付きの物件ならばリノベーションもしやすい。ある程度設備投資が必要なことが多いので、今後、倉庫リノベーションに関る工事、費用などをパッケージ化し、見える化を図ってはどうか。倉庫をリノベーションしてみたいが、どれくらい費用がかかるか知りたいというニーズがあると思う」としている。

株式会社 フォワード
代表取締役社長 内山広文
東京都港区海岸
http://for-ward.co.jp/cn12/Works.html