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ヘイズ・ガレリア Hay’s Galleria

<イギリス>
所在地:ロンドン/再生設計者:トゥイッグ・ブラウン・アーキテクツ
Before:波止場・倉庫(1856年)/After:店舗・事務所・集合住宅(1986年)

ロンドンのテムズ川に面して、1651年に建てられた醸造所が1856年に「Hay’s Wharf」という名前の波止場に用途変更された。8棟の倉庫がコの字型に配置され、中央が波止場となり、インドや中国からの紅茶を中心とする乾物類の荷揚げが盛んに行われ、最盛期はロンドンにおける生鮮食品の荷揚げの80%にも達し「ロンドンの食品倉庫」とまで言われていた。しかし、1861年6月の南部地域大火で再建され、第二次世界大戦後までの1世紀近く使われていたが、大戦後は、舟運が主流だった時代から物流手段の変化などの影響もあり、取扱量は激減した。波止場も倉庫もさびれていった。1980~90年代、周辺地域が再開発されることになり、それに合わせて大々的な倉庫のリノベーションが行われた。その結果、波止場、倉庫は店舗、事務所、集合住宅を組み合わせた「ヘイズ・ガレリア Hay’s Galleria」として生まれ変わった。

コの字型に配置されたレンガ造りの建物群の中央波止場部分は、床が設けられガラス張りのカマボコ型のヴォールト屋根が新しく架けられた。1階は飲食店を含む店舗に、5階建ての上階は事務所や住宅にリノベーションされた。この結果、ロンドン塔やタワーブリッジに近いこの場所は、おしゃれな観光スポットとなり、大勢の人が訪れるようになった。

元来、人は水辺を見ることで心を休めることができる。また、昔からある建物に敬意をはらうことは、街の風景や歴史を大切にすることになる。ヘイズ・ガレリアのように、水辺に面した倉庫などを再生活用することは、日本全国に候補となる場所もあり実現の可能性も高い。付け加えて、舟運が復活し、船着場を生き返らせることができれば、地域や町や物流の活性化につながる。

(大隈 哲:イーソーコ総合研究所)

 

プロフィール

大隈 哲(おおくま さとし)1946年7月福岡県生まれ。

1972年3月早稲田大学大学院都市計画専攻終了後、同年4月日建設計入社、77年4月建築専門雑誌『日経アーキテクチュア』出向、97年4月日建設計都市・建築研究所主幹・所長付、2006年4月日建設計総合研究所主任研究員、2008年2月世界建築会議2011年東京大会日本組織委員会へ出向、事務局統括参事などを歴任。2012年3月より現職。


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