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Training facility 物流設備のメンテナンスは、倉庫で学ぶ

相模原市中心部からほど近い工場跡地に姿を現した巨大物流施設・GLPアルファリンク相模原。地域の人々も利用可能なレストランやコンビニ、カフェテリアなどの共用施設をリング状に配し、円形の中庭ではピクニックもできる。「日研トータルソーシング関東テクノセンター」はそんな、開かれた物流施設のなかにある。

日研トータルソーシングの主業は、製造の現場などで活躍するエンジニアの人材育成と派遣だ。コロナ禍によって一変した流通や、増大するEコマース市場などを後押しに物流施設の自動化が進むなか、物流機器の保守を通じて現場を支えるフィールドエンジニアのニーズも大きくなっている。こうした状況を受けて「関東テクノセンター」が開設されたのは2022年2月。GLPアルファリンク相模原1の6階、約400坪をエンジニア育成の場として整備した。

施設に入るとまず目を引くのが天井の高さ。5.5mもの高さを持つ空間に産業用ロボットやマテハン機器、計測機器などが並ぶさまは物流現場を思わせるが、これらの機器はすべて育成用に備えられたものだ。ゾーニングにも配慮し、教育の効率や拡張性を考慮して機器は余裕を持って配置されている。将来的にはベルトコンベアーや自動搬送機などを設置したり、実際の機器の効率性の検証に使う構想もあるという。倉庫内での実務を学ぶ施設の立地として、倉庫はまさに最適といえる。訓練は実戦のごとく、実戦は訓練のごとくという言葉が浮かぶ。

施設内には、1部屋あたり30人ほどが学べる教室も5室用意されている。大型のスクリーンを設置した座学用の教室や作業台を備えた教室など設えはすべて異なり、まるで工学系の学校のような趣。エントランスも特徴的で、前面がガラス張りで施設内の実習風景が見渡せ、併設された展示スペースには実習用の機器が並ぶ。実はこのスペースも、施設と合わせて大切な役割を果たしているという。

「当社では毎月150名ほどをエンジニアとして採用していますが、それでも足りていません」と話すのは、関東テクノセンター設立の中心となった同社ロボティクス事業部次長の加藤洋氏。なかでも特にニーズが高まっているのが、物流機器のメンテナンスを現場で行うフィールドエンジニアだという。自動倉庫を持つクライアントへの同社のソリューションは「人」。どんな機器を使ってどんな教育をしているのか、なにができるのか。ここは、それを見せるショールームとしての役割も持っている。

倉庫内に施設を設置した理由は、もうひとつある。物流施設の自動化が進むとともに、機器の迅速なメンテナンスも求められるようになってきている。即時性を確保するためには、物流施設とメンテナンス拠点の距離は近い方がいい。同社が提唱する「ゼロ距離メンテナンス」は、物流施設の中に拠点を設けることで機器の不具合に即座に対応するスキーム。関東テクノセンターはその第一号拠点として、今後のベンチマークとなる施設でもあるのだ。

 

「ゼロ距離メンテナンスのニーズは今後、6~7倍に増加すると見ています」と話す加藤氏。物流施設のなかにその拠点を置くことで、物流施設の運営者はテナントに新たな価値を提供でき、Win-Winの関係をつくることができる。実際に、物流施設デベロッパーからのオファーも来はじめているという。「機器のメンテナンス性」は、物流施設のスペックに確実に加わりつつある。

 

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