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Product demonstration space
非破壊検査装置をデモンストレーションするには

非破壊検査装置、と聞いてその役割やカタチが思い浮かぶ人は多くないだろう。日常生活で目にする機会がほとんどないためだが、実はこれ、装置を必要としている人たちも同様なのだという。そんな、目にすること自体が貴重な装置のデモンストレーションを行うスペースが横浜市にある。

産業用の精密測定機器などを取り扱うニコンインステックが2017年10月にオープンした「第2計測室」。なんとも事務的な名前だが、非破壊検査機器や非接触三次元測定機のデモンストレーションスペースとしての機能も果たす、重要な施設だ。事業の強化と従来のデモスペースが手狭になったために開設されたのだが、装置のサイズが大きいために建物はもと倉庫が選ばれた。新スペースの開設決定からオープンまではちょうど1年をかけたが、そのうち半年程度が物件さがしに費やされたという。

ひとくちに非破壊装置といってもその種類は様々で、超音波や圧力によってできたひずみを計測するもの、赤外線を使用するものなど用途によって多くのタイプがある。いずれも製品を破壊することなく精密に検査できるが、このデモンストレーションスペースに置かれているのは、ある種の電波を用いて製品内部まで検査できる装置。鉢植えの根の生え具合も詳細に「見る」ことができ、分解することなく電子回路の断線も発見できる。しかしいずれも価格は数千万から億単位で、そう簡単に買えるものではない。実際に装置を見て、性能を知ってもらう。それが、このスペースの目的だ。

室内はグレーの床とホワイトの壁に、ナチュラルウッド調の建具があたたかさを加えている。最新の機器にふさわしい研究所のような清潔感と、来館者を意識した居心地のよさを両立させ、倉庫を思い起こさせるのは高い天井くらい。内部はオフィスと会議室などの執務部分のほかに検査ルームが8室設けられ、装置が1台ずつ置かれる。

検査が必要とされるのは、新製品の完成時や不良品の発生時などデリケートな場面が多い。そのためデモンストレーションを含め検査はすべて各ルームで行われるのだが、巨大な装置を収めるため扉も巨大。装置を搬入出することを前提に、廊下の幅やシャッターの位置など、装置の移動を考慮に入れた導線となっている。

外観で手を加えたのはエントランスの追加と塗装のみ。色味にこだわったというライトグレーのシャッターに、黄色と黒のロゴが映える。外装と内装のイメージギャップは、倉庫のなかにもうひとつ建物を建てるようなリノベーションによって生まれた。同社産業機器第2営業本部の大坂朋直氏と営業管理本部営業企画部の杉原利明氏は「倉庫という空間にお客様に来ていただけるスペースができた。いずれは、装置の展示会、イベントなども開催できれば」と話す。

倉庫然とした外観から、一歩入ると明るいデモンストレーションスペースへ。その意外さは、来館者にも深い印象を与えるにちがいない。

ニコンインステック 第2計測室(非破壊検査装置デモンストレーションルーム)

横浜市栄区

http://www.nikon-instruments.jp/jpn/company/instech/demoroom#Anchor_2

http://www.nikon.co.jp/news/2017/1011_02.htm